横綱鶴竜が初日突然休場した。前日までその
気配はまったくなかっただけに意外であった。
これで鶴竜の2019年の休場率は37%になった。
ここ3年では43%に上がってしまった。1年
に直すと休場日数は約39日に相当する。これ
で横綱は片肺飛行となってしまった。土俵の
充実は休場者を減らすところから始めたほう
がいいのでは。特に看板力士の休場は場所を
盛り下げてしまう。
初日最大の注目の取組は横綱白鵬対小結北勝
富士である。先場所も初日に組まれ、北勝
富士が一気に走って快勝したのは、記憶に
新しい。それだけに白鵬にとっては危険な
対戦相手である。今の白鵬はパワー相撲で
後退すると危ない。
相撲はこう展開した。白鵬が強烈なかちあげ
で北勝富士の上体をおこしにかかった。さら
に出足が止まった北勝富士を、次の瞬間はた
き落とした。そうはいくかい、という気迫
あふれる相撲だった。
白鵬はかつて横審から張りさしとかちあげを
封印されたことがある。これは冷静に考える
とおかしな図式である。相撲はルールに基
づいて行われる競技である。だとすると横審
はルール改正に動くのが筋である。そうで
ないと行司と審判は現行ルールにそってさば
くことになる。
また、特定の個人だけに適用されるルールが
あるスポーツなんて聞いたことがない。江戸
の強豪雷電だけの禁じ手だって史実ではなく、
伝説にすぎない。確かに白鵬のかちあげは
ひじを使っているのでは、という面があった。
それは本来行司、審判が協議し、判断すべき
ことである。今回白鵬が北勝富士にはなった
かちあげは、ひじは使っておらず、問題視