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学生出身力士に対するある予見

現代の大相撲は学生出が花盛りである。大学
も一昔前と比較すると広がりを見せている。
来場所、御嶽海は小結が予想される。御嶽海
は2度目の上位戦である。13勝と大勝した
遠藤も上位にあがってくる。遠藤は久々の
上位である。だが、これまで上位で勝ち越した
ことがまだない。
160923十三日目幕内 462
<高安対御岳海 九月場所 13日目>
 
三段目付け出しでスタートした東幕下筆頭
小柳(おやなぎ)が、3連敗4連勝で十両入り
を決めた。余談だが東幕下筆頭の板倉(後の
大豪)が昭和50年一月場所、3連敗4連勝で
十両昇進を果たしている。後援会は一瞬
がっかりから喜びへと豹変した。
平成5年12月に発行された小坂秀二著昭和の
横綱(冬青社刊)の輪島の項目に次の一文が
ある。
学生相撲出の横綱第一号である。といっても
いまのところ第二号は出ていないから、
ひょっとするとただ一人ということになるかも
しれない。
この予見は当たっている。横綱輪島誕生から
43年、学生相撲出の横綱は出ていない。現役
で横綱を狙える逸材も今のところ見当たらない。
小坂
<小坂秀二著昭和の横綱 冬青社>
 
輪島は幕下付け出しで、連続7戦全勝優勝と
いうこれ以上ないスタートをきった。それでも
胸が薄く、相撲が小さいため、大成は難しい
という見方であった。だが、相撲の天才児は
そんな専門家の目をくるわせた。
横綱輪島
<輪島横綱昇進の記事>
 
横綱審議委員の石井光次郎氏は「輪島は
マシーンのような強さ」と言っている。神風
氏は「羽黒山の堅実さ、強さと安芸ノ海の
うまさをあわせたのが、輪島の相撲」と語る。
玉の海氏は「すり足、顎があがらない、腰を
落として攻める。大胆な中に緻密さがある」
と賞賛する。大鵬は「攻撃から防御、防御
から攻撃と相撲にリズムがある。輪島の強さ
の一番のポイントは腰の中心点に寸分の
くるいもないということだ。投げを打つときの
体の開きは天才的」と絶賛である。
将来、こうまでいわせるほどの学生出の逸材
は出てくるか。もしかしたら、小坂氏の予見は
当分あたり続けるかもしれない。

相撲仲間で遅い夏休みを取って6日目から
福岡に乗り込む方がいる。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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