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忘れられた横綱昇進の基準

九月場所千秋楽の大相撲中継(正面解説北の富士さん、
三瓶アナ、向正面解説舞の海さん)で興味深いやりとり
があった。
舞の海「北の富士さん、ひとつお聞きしたいんですけれ
ども、結びの一番で照ノ富士が勝つことになると、来場
所、照ノ富士は綱取りの場所になるんでしょうかね」
北の富士「んーーーー?優勝するということですか」
舞の海「優勝というよりも、結びの一番で照ノ富士が勝
った場合ですね。決定戦で負けたとしても」
三瓶アナ「星が並ぶわけですね」
舞の海「ええ」
舞
<舞の海さn>
 
北の富士「番外だからね、決定戦というのは。参考には
なるんでしょうね」
三瓶アナ「伊勢ヶ濱審判部長はですね、今日取組前に、
まあ、照ノ富士が勝てば優勝に準じる成績になる。とい
うことで、まあその、来場所綱取りというところまで言
及しなかったのですけれども」
北の富士「そうでしょうね」
三瓶アナ「優勝に準じる成績であるのは間違いない。と
いうところまではおっしゃいましたね」
北A
<北ノ富士さん>
 
12勝3敗の優勝同点は横綱につながるかと否かは、横綱
昇進が2場所連続優勝か準じる成績という基準からきて
いる。マスコミも1場所好成績が出ると次は綱取りと注
視する。しかし、実はこの基準の前に一文がある。それ
は「品格力量抜群」である。本来なら横綱昇進の基準は
これだけで十分である。しかし、品格力量抜群は最近、
ほとんどいわれなくなっている。まるで死語にでもなっ
たかのように。
なお、品格は聖人君子を求めているわけではない。20代
の若者に求めるほうが無理である。協会が定義している
わけではないが、ここでは、けして八百長(片八百長)
をやらない姿勢を含む土俵態度、相撲に打ち込む姿であ
ると解釈している。
150927千秋楽幕内 771
<鶴竜を寄り切り12勝をあげた照ノ富士>
 
品格力量抜群と2場所連続優勝か準じる成績はイコール
で結べない。2場所だけよくてもあとが続かない横綱は
これまでもいた。そもそも、弱い横綱、物足りない横綱
がなぜ誕生するか。品格力量が抜群でないからである。
横綱誕生は横綱審議委員が推挙し、最終的には協会が決
定する。あくまで最終権限は協会にある。これまで弱い
横綱、物足りない横綱を誕生させても反省の弁は聞いた
ことがない。
照ノ富士はいずれ横綱に昇進する器である。なにも急い
で横綱にする必要はない。品格力量抜群のとき、ぜひ横
綱になっていただきたい。と思えるくらいの判断に達し
たときに横綱照ノ富士は実現する。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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