若隆景の大関昇進なるかの声が聞こえてくる。それは静かななかに
ゆるやかに聞こえてくる。五月場所12勝、七月場所10勝だから九月
場所11勝なら3場所33勝になる。これが10勝-12勝なら勢いがつく
のだろうが、そうでないから話題沸騰とまではいかない。
もう一つ気になる点がある。若隆景は30歳である。さらに成長が見
込まれる年齢ではない。今年(2025年)12月には31歳になる。ベテ
ランの域に入っている。

ただ、相撲はまだ若々しい。巨体でないから体重が負担になるとい
うことはない。また現在大関は琴櫻一人である。これはどう見ても
寂しい。東西に大関がそろったほうがバランスはいい。
若隆景は実は上位で連続2ケタ勝利は初めてなのである。初優勝し
たときはその前もその後も9勝6敗だった。優勝を生かせなかった。
そういう意味で数少ないチャンスなのである。

昭和では3場所31勝やそれ以下で大関に昇進したケースが珍しくな
かった。連続2ケタでなくても昇進できた。3場所33勝が大関昇進
といわれたのは近年である。若隆景はレベルの高い大関昇進に挑む
ことになる。九月場所、若隆景の大関昇進を静かに見守りたい。