大の里と安青錦には共通点がある。それは入幕まですべて勝ち越し
で上がったことである。安青錦は前相撲から、大の里は幕下付け出
し10枚目格からであった。連続アマ横綱となった大の里だけに特別扱
いだった。現在は幕下最下位付け出しと規定されている。

デビューは大の里が2場所早かった。幕下2場所で十両入りした。
一方安青錦も快進撃で出世した。前相撲後、各段1場所で突破した。
幕下は3場所連続6勝1敗で通過した。
十両はともに2場所で通過した。時間差はあった。大の里が入幕し
たとき、安青錦はまだ序二段だった。大の里が初優勝したとき、安
青錦は幕下であった。大の里が新大関のとき、安青錦が新十両であ
った。
去る七月場所、新横綱大の里と上位初進出の安青錦が初めて対戦し
た。この時、大の里の馬力が圧倒して安青錦を退けた。ただ、成績
はともに11勝4敗であった。ここまで大の里は14場所連続勝ち越し
中である。安青錦は11場所連続勝ち超し中である。ともに入門以降
負け越しはなく、記録は続いている。

安青錦は長足の進歩、強さで突っ走っている。何より安青錦は大の
里より約3歳9カ月若い。今は横綱・大関は3人と手薄である。安
青錦は大関を狙える。やがて大の里の前に立ちふさがる存在になる
かもしれない。