2敗単独トップの高安は意外にも幕内前半最後に登場した。これま
ですべて後半で1度もなかった。対戦相手は4敗美ノ海である。な
んと初対戦である。そうはいっても今場所の勢いから高安優位は動
かない。
ところが相撲は、高安が突き立てると、美ノ海後退するも踏みとど
まる。美ノ海逆襲して反撃に出て寄り立てると高安たちまち東土俵
に詰まる。高安こらえるもついに土俵を割った。高安は3敗となり、
13勝の壁はまたも越えられなかった。

高安は1横綱・2大関を撃破しながら、霧島・美ノ海に負ける不思
議さ。高安に意識しすぎか緊張感があったとしか思えない。高安を
見るにつけ思い起こすのが麒麟児=大麒麟である。大関のチャンス
を2度逃した。4大関を倒しながら11勝4敗だった。柏戸キラーで
素質・素材はよかったが、優勝はついになかった。
これで3敗大の里にチャンスが訪れた。対戦相手は関脇大栄翔であ
る。大の里は大栄翔のあたりをものともせずに、前に攻め立て押し
出した。大の里本来の相撲であり、強さを見せつけた。

新入幕安青錦が昨年の覇者尊富士を正面土俵に寄り切った。これで
10勝目をあげた。2勝3敗でスタートしたときは勝ち越せばいいと
思った。だが、安青錦はやはり非凡なものをもっている。まだ、負
け越しを知らない。ぎりぎりの勝ち越しもない。

千秋楽高安は阿炎と対戦する。負け越しているが油断はできない。
昨年の九月場所で優勝を決めていた大の里が千秋楽負け越している
阿炎に敗れている。大の里は琴櫻と結びでぶつかる。琴櫻は8勝6
敗でカド番は脱したが、大関相撲は少なかった。千秋楽、優勝に輝
くのは果たしてどちらか。