昨年(2023年)の幕下のホープは1年間の成績で選出した。1年間
の成績が最も良かった力士が尊富士であった。成績は36勝6敗であ
った。その後の尊富士の活躍はご存じの通りである。十両優勝して
十両を1場所で突破した。新入幕で幕内最高優勝を達成して相撲フ
ァンを驚かせた。
ところが尊富士より凄い奴が現れた。安治川(元安美錦)部屋の安
青錦である。安青錦と書いてあおにしきと読む。昨年はまだ序ノ口
1場所だった。そのため、幕下のホープでないため取り上げなかっ
た。ところが今年取り上げる前に十両昇進を決めてしまったのであ
る。
序ノ口から幕下までの成績は38勝4敗である。これは尊富士の序ノ
口から幕下までの36勝6敗を超えてきた。しかも尊富士は日本大学
相撲部在籍であった。いわば学生出身である。それに比べて安青錦
はウクライナ出身というハンディを抱えての入門であった。
安青錦の相撲を見るととにかく強い。体が大きいわけではない。体
重は125キロである。立ち合いの鋭さとスピードで取る相撲である。
決まり手でいうと押し出しと寄りが中心である。ほかに下手出し投
げ、はたき込みがある。
おやっと思う決まり手に切り返し、裾払い、上手捻りがあった。ち
なみに4敗は長村、草野、日翔志、琴手計(琴栄峰)である。まだ
20歳である。尊富士より4年11カ月23日若い。明日のホープへの期
待はとてつもなく大きい。