さる一月場所、休場続きだった照ノ富士が復活優勝
を遂げた。それも琴ノ若を追いかける展開となって
自力で並んだ。さらに優勝決定戦でも琴ノ若を一蹴
し、9回目の優勝となった。ここまできたら10回目
を目指すのは当然である。
照ノ富士は10回優勝を達成できるのか。検証してみ
る。優勝制度は大正15年に式にスタートした。それ
以降10回以上優勝したのは13人しかいない。横綱は
玉錦から稀勢の里まで41人である。けっこう狭き門
である。
10回目の優勝が最も若かった横綱は大鵬の約22歳10
カ月である。次点が貴乃花の22歳11カ月である。照
ノ富士は現在32歳である。初代若乃花は32歳で10回
目の優勝をしている。ただ、初代若乃花は年3場所
から徐々に場所が増えていっただけに消耗度が違う。
曙が約31歳2カ月で比較的近い。曙は最終的に11回
優勝している。曙はまだ取れたが、師匠の元高見山
の東関とうまくいかず、引退している。
照ノ富士はひざにケガを抱えているハンディがある。
フル出場は難しいが、今年中に優勝できれば32歳で
の達成になる。いまのところ照ノ富士に対抗できる
大関はいない。霧島・豊昇龍・琴ノ若には1度も負
けていない。彼らの優勝は、霧島の2回が最高であ
る。
照ノ富士の10回目の優勝の可能性はある。ただし、
今年中という条件つきである。33歳をすぎると難し
くなる。あと5場所で1回すれば10回である。14人
目の10回以上の優勝者になれる。ぜひベストを尽く
してただきたい。