まず、優勝ラインだが、普通に考えれば12勝になり
そうである。昨年は4場所、今年は3場所が12勝優
勝である。先場所は11勝1位であった。混迷の時代
は場所前の優勝予想を困難にし、優勝レベルを引き
下げてきた。
9日目を終えて1敗一山本、2敗霧島・琴ノ若・熱
海富士・美ノ海としぼられてきた。まず、今日の相
撲を振り返ってみよう。
◆1敗一山本対3敗平戸海
1敗は佐田の海によるものである。相撲は、平戸海
がうまく下から入って一山本は上体が起きた。平戸
海はもろざしで寄り立て黒房下土俵に寄り切った。
平戸海の技能が光った一番になった。1敗は消え、
2敗が最高となった。一山本は11日目、関脇大栄翔
と対戦する。
◆2敗美ノ海対御嶽海
対戦相手の御嶽海は土俵下に控えているが2敗力士、
の美ノ海の姿がない。あわてて呼出と一緒に花道を
急ぐ美ノ海の姿が目にはいった。そうしてそのまま
竜電に水をつけていた。相撲は、御嶽海がどんどん
前へ攻め立て寄り切った。御嶽海はあっさり負ける
反面、ときどきいい相撲を取ることがある。今日は
その日だった。
◆3敗湘南乃海対2敗熱海富士
熱海富士は果敢に攻めて赤房下土俵に湘南乃海を押
し出した。熱海富士は先場所の優勝争いを経験して
いる強みがある。上位戦になっても先場所の経験が
生きてくる。
◆2敗琴ノ若対豪ノ山
豪ノ山はあなどれない。それを見てきたのが琴ノ若
である。相撲は激しいぶつかり合いとなった。その
なかから琴ノ若は左上手をがっちりつかんだ。上手
でゆさぶりながら上手投げを決めた。豪ノ山のパワ
ーは封じられた。
◆3敗錦木対2敗霧島
霧島は錦木の攻めをかわし、後ろにつくとそのまま
送り出した。錦木はやっかいな相手だが、霧島にと
っては楽勝の結果になった。
この結果2敗は霧島・琴ノ若・熱海富士・一山本の
4人となった。熱海富士と一山本は上位戦を勝ち抜
かなければ優勝はない。これは容易なことではない。
霧島と琴ノ若の対戦はこれからである。優勝は優勝
を争う者同士の一番に勝利することが近道である。
3敗力士にもチャンスはあるが、残り5番全部勝っ
ての話である。終盤戦、優勝経験のある霧島がやや
有利の展開になるかもしれない。