明日のホープ、それは将来の大関・横綱を予見させ
る逸材である。豊昇龍はそういう存在であったが、
なかなか浮上しなかった。関脇時代以下の上位での
活躍が少なかった。霧島は、素材はいいが、大関は
微妙だと思っていた。だから予想を超えたといえる。
七月場所は新入幕トリオ豪ノ山、湘南乃海、伯桜鵬
が活躍した。湘南乃海は幕下以下で時間がかかった
が、本人は横綱を目指しているという。豪ノ山の相
撲は前への圧力相撲がいい。元琴錦の朝日山親方が
高く評価している。
伯桜鵬はまだ4場所しか経験していない。まげどこ
ろではないスピード出世である。最後まで優勝を争
ったのはでき過ぎである。将来が楽しみな逸材であ
る。
3力士は九月場所幕内の中位に番付をあげるが、ど
ういう相撲が取れるか。将来を見通すうえで大切な
場所になる。
ほかに楽しみな力士に北青鵬とカザフスタン出身の
金峰山がいる。しかし、両力士とも頭打ちである。
北青鵬は下手一本でねばるだけの相撲が目立つ。こ
れでは2メートルをこす体をいかせない。相撲を変
えるところから始める必要がある。金峰山は幕内中
位では馬力が通用しない。さらにパワー相撲に磨き
をかけなければ埋もれてしまう恐れが出てくる。
明日のホープから抜け出すのは誰か。気になるのは
ニックネームが誰にもつかない点である。角界のプ
リンス貴ノ花、蔵前の星輪島、怪童北の湖というよ
うにニックネームがあった。個性がないわけではな
いが、現代は物足りない。再入幕熱海富士も楽しみ
な力士である。