照ノ富士は間垣部屋から伊勢ヶ濱部屋に移籍
してから急速に力をつけてきた。三月場所
から豪栄道・琴奨菊を超える実力を身につけ
てきた。さらに三月場所は横綱白鵬に勝って、
自信をつけた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/150509夏初日前日-003.jpg)
その照ノ富士は五月場所、初優勝と大関昇進
を決めた。白鵬・日馬富士・鶴竜の3横綱、
稀勢の里・琴奨菊・豪栄道の3大関はいずれ
も全盛期を過ぎている。閉塞状態の中、若く
て成長途上の平成生まれの新大関が誕生した
ことは新しい息吹を感じさせた。
照ノ富士の大関昇進は入幕後所要8場所で
あった。これは驚異的なスピードである。
昭和33年年6場所制になってから柏戸の12場
所、大鵬の6場所、輪島11場所、北の湖13場
所、千代の富士19場所、貴乃花17場所、朝青
龍10場所、白鵬12場所と比較すると照ノ富士
がいかにすばらしいかがわかる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/150527照ノ富士大関-008.jpg)
照ノ富士のよさはまず腰がいい。よく両差し
になられるが、それでも戦える。それも豪栄
道クラスを相手にしてである。前屈でないと
もたない腰は多いが、照ノ富士はそっても
もつ腰である。右四つで胸を合わせる取り口、
これが相撲に大きさをあたえる。頭をつけ、
下手中心の相撲は取らない。今後の稽古次第
では玉の海のような安定した相撲も可能に
なる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/150527照ノ富士大関-177.jpg)
照ノ富士の弱点は調子をおろす相撲が見受け
られることである。五月場所は佐田の海、
徳勝龍といった思いがけない相手に負けて
いる。それを繰り返してはいけない。新大関
のマイナス要因はほかにもある。ひいき筋に
連れまわされる点。俗に言う、ひいきの引き
倒しである。さらに、これからは対戦相手が
思い切った相撲を取りにいく
2015年、新大関照ノ富士は成長途上であり、
横綱の可能性を秘めていた。
期待される大関だった照ノ富士は5年半を
経過して、再び大関を目指している。関脇
以下で3回優勝すれば新記録になる。また、
ゼロから復帰した大関の優勝は初めてのこと
になる。2021年、再び栄光を勝ち取っていた
だきたい。
(この項目終わり)
鬼滅の刃最終巻が発売されます。
興味深いテーマをこれからもお届けします。