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2020年年間最多勝最終形

十一月場所を終了したことで今年1年間の
成績が確定した。九月場所までは正代と朝乃
山がトップを争っていたが、十一月場所で
ともに途中休場で早々と脱落した。このとこ
ろ年間最多勝は低レベルであるが、今年も
同様になった。今年の特徴は横綱が、いかに
休場が多かったか。また大関がいかに手薄
だったか。そんななかでの年間成績だった。

それでは、幕内1年間の成績はどのように
なったのか。なお、対象は5場所幕内に在位
した力士と年間3場所幕内在位の好成績者
照ノ富士、若隆景、琴勝峰とさせていただ
いた。年間4場所幕内在位の好成績者はいな
かった。単なる数字の比較ではなく、横綱・
大関の対戦率によってクラス分けさせていた
だいた。それが以下である。

すでにご存知の通り、2020年の年間最多勝は
貴景勝に決定した。成績は51勝21敗3休で
あった。七月場所では勝ち越したとたん休場
があり、九月場所まで38勝19敗3休ととても
年間最多勝に浮上できる要素はなかった。
繰上げ最多勝となった。1場所平均10.2勝で
ある。優勝は1回である。十一月場所の優勝
決定戦で負けていれば、優勝なしの年間最多
勝になるところだった。

<年間最多勝の表彰を受ける貴景勝>

1場所平均12勝は夢のまた夢になってしまっ
ている。軸になる力士の不在が続いている。
今年も混迷の時代であった。次点は正代で
ある。成績は48勝17敗10休と休場をともなっ
ても次点なのだから悩ましい。無事これ名馬
というが、ケガのない体づくり、稽古に取組
んでいただきたい。横綱柏戸はけがによる
休場が多かった。そんな柏戸を時津風(元
双葉山)理事長は「柏戸の体は瀬戸物か」
と言った。

<年間最多勝次点正代>

横綱・大関戦の成績が最もよかった力士が
北勝富士である。横綱戦3勝2敗、大関戦
4勝4敗である。横綱戦は1不戦勝を含ん
でいる。大栄翔も横綱戦2勝3敗、大関戦
3勝6敗と善戦している。照ノ富士の場合、
大関復帰を目指しているが、年間成績から
新大関誕生の気配はない。時間がかかり
そうである。

<大関復帰を目指す照ノ富士>

2021年は誰かが抜け出すのか。そして年間
最多勝をレベルアップしていくのか。閉塞感
を打破する力士の出現はあるのか。そうした
視点で2021年の大相撲を見守り続けていく。

寒くなってきました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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