1日の臨時理事会で三月場所が無観客開催に
決定した。他のスポーツ、イベント、レジャ
ー施設など世の流れから通常開催はないと
いう予感はあった。無観客開催か中止しか
あり得なかった。延期しても見通しが立た
ないから選択肢は狭かったといえる。どちら
にしても苦渋の選択だったと思う。興行収入
がゼロになるのだから、プロとして成り立た
ないことになる。
それにしても病につながる新型コロナウイル
スで、大相撲がピンチに陥るとは誰が想像
できただろうか。それでもまだ予断は許さ
ない。プロ野球のオープン戦と違い、 大相撲
は 大所帯 である。誰かが感染したときは中止
もありえるのからまだまだ問題はつきない。
無観客場所は、昭和20年6月場所以来である。
当時は戦時中であり、空襲がいつくるかわか
らない時代であった。そのため、観客を一箇
所に集めることは大変危険な行為であった。
事実、ほかのスポーツはすべて禁止されて
いた。協会が開催に踏み切った理由は、番付
を残し、国技の伝統を守りたかったことが
あげられる。
ただ、実情は惨憺たるものであった。旧両国
国技館の天井は穴だらけ、会場は、焼けた
残骸があった。両国周辺の相撲部屋はこと
ごとく焼失していた。食糧事情の悪さは、
力士にも影響した。照国は41キロやせていた。
日程は短期間の7日間。十両以上の力士が
出場。幕下以下は春日野部屋で5日間取る
ことになった。優勝は備州山であった。幸い
空襲はなく、ぶじ無観客場所は終了した経緯
があった。
無観客開催にともなって異変が出てきた。
あるチケット専門サイトは、大相撲のチケッ
トを96枚売り出していた。別のチケット専門
サイトは109枚売り出し中であった。無観客
開催になって、三月場所のチケットはもう
売れることはなくなった、こんなことも初の
ケースであろう。
無観客だと協会挨拶、場内放送はどうなる
のだろうか。また、発表されたのは三月場所
だけだが、巡業、五月場所はどうなるのだ
ろうか。大相撲と新型コロナウイルスをめぐ
る対応はまだまだ続くことになる。
府立体育館の売店で働く方が気になります。
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