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番付のからくり

番付。それは力士、行司、年寄、呼出しなど
が1枚の紙あるいは板に縦書きに書かれた
ランキングである。行司が独特の相撲字で
書き、地位が高いほど大きい文字が書かれる。
原版は縦109×横79センチに書き、和紙に
縮小印刷される。
番付は階級と枚数が書かれていないので、
新聞発表の横書きの番付しか見ないという方
がいるかもしれない。しかし、縦書きの相撲
字の番付は独特の味わいがあるので、けっこ
う好まれているし、力士・親方など協会員が
後援者・支援者などに送っているほどである。
170526十三日目幕内 770
<新大関 高安>

幕内の定員は42名である。では東西21名ずつ
かというと必ずしもそうとは限らない場合が
ある。平成29年七月場所番付では東が大関と
平幕が1名多くて、東が22名、西が20名で
ある。こうした傾向は平成27年七月場所から
横綱と平幕あるいは関脇と平幕各1名ずつ
東が多いカタチで続いている。
当然ながら番付のスペースは東西同じである。
最上段は幕内だが、二段目以降の十両・幕下
から序二段までは東西同人数であるからだ。
序ノ口はたまに奇数人数のときがあるが、
人数は多くなく、年寄などと同じ段なので
影響はない。
それでは幕内の東22名、西20名は同一スペー
スで、どのように書かれているのか。パッと
見ただけでは、それほど文字の大きさに違和
感はない。先場所の平成29年五月場所の番付、
関脇と平幕が、東が多い番付から見ていこう。
五月場所番付
<平成29年五月場所番付>

東西のスペースは同じ171ミリである。これを
見ると横綱・大関3人で2ミリ縮め、平幕で
4ミリ縮めている。その分を関脇2人、小結
1人にあてて27ミリを当てている。西は関脇
小結2人で20ミリである。
今度の七月場所番付、東が、大関と平幕が
1人ずつ多い、東22名、西20名の番付である。
そのサイズは以下である。
七月場所番付
<平成29年七月場所番付>

こうした微妙な操作が行われているが、それ
を感じさせない番付は見事としかいいようが
ない。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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