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琴奨菊は第2の琴桜になれるか

琴奨菊が31歳で初優勝したことは、大きな話題として
報道された。自分を支え、応援してくれた多くの方に感謝
する発言も好感をもって受け入れられた。何より日本出
身の日本人優勝が相撲ファンにとって大きな喜びとなっ
てヒートアップした。次は連続優勝して横綱だという声が
出ている。だが、それは容易ではない、今度は復活する
照ノ富士をはじめ、モンゴル勢が反撃に出るなど必ずし
も肯定的な見方ばかりではない。
160124千秋楽表彰 057
<琴奨菊初優勝>
 
ところが、誰しも連続優勝による横綱昇進などありえないと
思われていた力士がまさかを実現してしまった例がある。
それは琴奨菊の最初の師匠にあたる琴桜である。昭和47
年十一月場所、大関で14勝1敗での優勝をすると、翌場所
も予想外に全勝で快進撃を続けた。
このとき琴桜の刺客として対戦相手になったのが、1敗で
追走する若手大関の輪島だった。両者は11日目に対戦
した。輪島はずるいほどうまい、相手の呼吸を一瞬はずし
て立ったが、琴桜ははさみつけるように出て、喉輪で圧倒
してしまった。
当時、琴桜が横綱になってははた迷惑という風潮だった。
32歳で将来性がない。無気力相撲で注意を2度受けたり、
カド番を3回むかえたりと悲観材料ばかりだった。こういう
力士を横綱にして大丈夫かというわけである。それでも辛
口評論でなる玉の海梅吉氏、天竜三郎氏などは、琴桜の
資質はともかく、物事は公平でなくてはならない。2場所
連続優勝した琴桜を横綱にしないのはおかしいと主張。
結局琴桜は14勝1敗で連続優勝して横綱に昇進した。
琴桜
<連続優勝しそうな琴桜に綱の壁 それを 報道した記事>
 
琴桜といえば、琴奨菊の最初の師匠にあたる。入門から
幕内までである。平成17年十一月場所中に元琴桜の佐渡
ヶ嶽が定年を迎えた。その場所琴ノ若が同時に引退して
佐渡ヶ嶽を継いで今日に至っている。琴桜と琴奨菊の大関
時代はよくにている。
琴桜  大関32場所 32歳カド番3回(大関負け越し5回)
琴奨菊 大関27場所(大阪場所含め)32歳カド番5回 
違うのは琴桜が大関で4回優勝しているのに対し、琴将
菊はまだ1回である。先代師匠の琴桜の例があるだけに、
琴奨菊の発奮材料になる。
160123十四日目幕内 801
<琴バウアー>
 
ただ、横綱は時代を築くほどの力量がほしい。今の横綱
の問題点はピンとキリの差がありすぎることである。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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