大相撲

続永世横綱考

2014年6月27日

品格・力量抜群、これは横綱推薦規準である。これまで
横綱及び昇進に関して品格を取り上げてこなかった。その
理由は品格をはかる判断が難しいこと、同時に世間一般
からみれば20代の若者が品格が抜群などありえないから
である。

双葉山に傾倒し、相撲を見る規準を双葉山においた小坂
秀二氏は1993年に発行されたゴング格闘技10月号増刊
横綱物語で品格に関して次のように書いている。

一番いけないのは仕切りだ。時間一杯になるまで小錦は
仕切りをしていないとしか言いようがない。時間一杯まで
全然立つ気のない仕切りは多くの力士がやっており、小錦
もその一人なのだが、腰も割らずにチョンと手先をつく
あの仕切りはひどい。(中略)

小錦を例にあげた。すでにお気づきのことと思うが、
求められる品格は、土俵に限って論じている。私生活を
含めた全人格を対象にはしていない。そんなことはできる
ものではない。横綱に聖人君子を求めているのではない。
(中略)
横綱に求められる品格とは、言い換えれば土俵人格である。
土俵人格が高ければよしとしなければ、現実に品格高き
横綱など求めて得られるものではない。(中略)

品格を求める場所を限定しても、なお人が人を評価する
ことは難しい。そこで協会は数年前にこういうことを
打ち出した。
一、相撲に精進する気迫
二、地位に対する責任感
三、社会に対する責任感
四、常識ある生活態度
五、その他横綱として求められる事項
妥当なところであろう。(以下略)

横綱昇進に求められる品格は土俵人格でいい、と小坂氏は
述べている。また、協会が打ち出した品格に関する事項は
あまり知られていない。横綱昇進に関する品格はそれで
いいと思う。

ただ、永世横綱は横綱を長い間務めてきて判断されるもの
である。そこには横綱昇進時には見えなかったものが
露呈してくる。朝青龍は横綱現役時代、旭鷲山のベンツの
ミラーを破壊した。また、夏巡業を腰痛で休場しながら
母国モンゴルでサッカーをやって2場所出場停止処分に
なるなど何かとお騒がせ横綱だった。

輪島は引退後花籠の年寄株を借金の担保にいれて相撲界を
追放された。永世横綱という概念はあるが、具体的規定は
当然ない。品格を重んじるなら朝青龍には永世横綱は与え
られないし、仮に輪島に与えてしまっていた場合は剥奪が
できるのかを考えなければならない。

もっと重要な問題がある。それは八百長をやった横綱で
ある。八百長はかなり悪質である。それも横綱の八百長は
ほかの力士以上にツミ深い。永世横綱に値しないどころの
レベルではない。そうなると前回の「永世横綱考」で
あげた昭和・平成の力量抜群で時代を築いた横綱はさらに
しぼられる結果となる。
090328春十四日目幕内 131綱
 
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denkouriki

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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