1敗大の里対2敗豊昇龍の決戦。千秋楽結びの一番、横綱同士の優
勝争い。これ以上ないカタチとなった九月場所。館内は大盛り上が
りの歓声がやまない。
相撲は意外な展開になった。豊昇龍のもろ手突きに大の里はあっさ
り土俵を割った。大の里らしくないもろい負け方であった。立ち遅
れたというより立ち合いのあたりが弱かった。それが敗因であった。

13勝2敗で優勝決定戦となった。大の里は本割の失敗を修正できる
か。豊昇龍に新たな大の里攻略法はあるのか。両雄再び激突の瞬間
がきた。
豊昇龍右上手、大の里もろ手突き。大の里委細かまわず出て豊昇龍
の上手投げをかまわず寄り倒して東土俵にもたれ込んだ。短い時間
に様々な見せ場がみられた一番になった。

だが、物言いがついた。なんの物言いか気になった。大の里の手つ
きか。審判長の説明によると大の里の足の甲がかえったかの確認で
あった。かえっておらず大の里5回目の優勝を達成した。
やはり本割・優勝決定戦の連勝は難しかった。鬼気迫る気魄、相撲
アニマルなどがなしえる業かもしれない。大の里は5回目の優勝だ
が、小結・関脇・大関・横綱と4階級制覇となった。