★優勝争いについて
13日目を終えて5人が優勝圏内。まさに誰が優勝するかわからない
情勢だった。千秋楽は優勝決定巴戦になってわきにわいた。近来ま
れにみる面白い展開であった。もう少しレベルが高かったらなおよ
かった。
★優勝した豊昇龍に関して
いささか負けすぎた。そのため自力では金峰山との差を縮められな
かった。王鵬が金峰山に勝って回ってきたチャンスを生かした。地
力の面ではやはり王鵬・金峰山より上だった。12勝スキあり優勝だ
ったことは肝に銘じたほうがいい。
★豊昇龍の横綱は
3場所33勝、4場所42勝、5場所52勝である。これで横綱にしては
いかにも強引につくった印象は免れない。横綱は力量抜群の特別な
存在である。常勝、安定性、盤石を継続できなければ務まらない。
今の豊昇龍では無理がある。
★引退した照ノ富士に関して
一月場所で引退するとは思っていなかった。ケガで大関を降格し、
序二段まで番付を下げた。そこから復帰して横綱にまで上り詰めた。
このような奇跡はもう二度と見られないと思う。稀有な横綱であっ
た。
★琴櫻対熱海富士戦がやり直しになったことについて
ことのいきさつはこうだ。朝日山(元琴錦)審判が琴櫻の足が完全
に出ないうちに勝負あったの手をあげたというのだ。しかし、琴櫻
はそれをみて力を抜いたわけではない。従ってやり直しはおかしい
と観戦レポートに記した。
ところが、朝日山が手をあげたのを見て伊之助が熱海富士の西にう
ちわをあげた。それを見て琴櫻が力を抜いた可能性があるという。
だが、熱海富士に落ち度はないのにやり直しはおかしい。やり直し
て熱海富士が負た場合はどうなるのだ。朝日山審判の責任は重大に
なる。負けてもかげ星として白星扱いにする処置を発表すればよか
った。そうしない限りやり直しは納得できないはずだ。
★幻の取組は
若元春対琴櫻
若元春対豊昇龍
若元春対大の里
東関脇若元春は大関戦が一番もなかった。これは落ち度といってい
い。
豊昇龍対阿炎
琴櫻対大栄翔
霧島対豪ノ山
王鵬対豪ノ山
★三賞について
優勝したら殊勲賞はやめたほうがいい。殊勲賞は優勝した横綱・大
関あるいは好成績の横綱・大関を倒した者でいい。二重基準はいら
ない。勝ったら敢闘賞もおかしい。勇み足や反則で勝つこともある。
問題は勝ち方であり、同時に負け方なのである。なお、敢闘賞は金
峰山・霧島、技能賞は王鵬となった。
★琴櫻は5勝10敗と惨敗したが
九月場所は8勝で横綱と騒ぐのはきわめておかしな現象だった。相
撲はずいぶんもろかった。大関として優勝を争ったのは十一月場所だ
だった。その場所だけが特別よかっただけの話である。
★最後に場所の採点を
60点