十一月場所、横綱・大関3人体制のなかで
貴景勝は12勝3敗と好成績を残した。痛恨は
下位で勝ち込んできた阿炎に負けたことで
ある。こういう弱さ、頼りなさがなくなら
ないと横綱は遠いといわざるを得ない。
正代は横綱・大関3人体制にもかかわらず、
9勝6敗に終わった。正代はどうも関脇以下
に軽くみられている。下位はひょっとして
正代相手なら勝てそうとみているように思え
てくる。まず、両大関の実績を振り返って
みよう。
貴景勝の大関在位は13場所に及んだ。きたる
一月場所で14場所目にはいる。ここまで108
勝59敗43休、勝率6割4分7厘である。1場
所9.7勝である。
休場43+不戦敗4(新大関で2不戦敗あり)
による大関休場率は22%である。1年に20.7
日休場していることになる大関13場所在位の
うち5場所負け越しで、負け越し率は38%で
ある。1年に2場所は負け越していることに
なる。
正代の大関在位は7場所になった。大関の
成績は55勝40敗10休で勝率5割7分9厘で
ある。1場所8.7勝である。休場10+1不戦敗
による休場率は11%になる。1年に9.4日
休場していることになる。正代は新大関の
場所以外は休場がない。大関負け越し率は
29%である。
大関の実績だけをみると期待しにくい数値で
ある。しかし、照ノ富士がくずれたり、休場
したりするとき誰がカバーするのか。低レベ
ルの優勝争いと低レベルの優勝になる恐れが
ある。大関は協会の看板であり、特別待遇を
受けているが、責任は別であるようだ。
大関は次のように定義できる。関脇・小結で
一時的に好成績をあげた者がつける地位。
一度つくと2場所連続負け越さない限り落ち
ない。その結果一時的な好成績とはほど遠い
成績に終始するようになる。
これでは期待しがたい。
寒さ厳しい日です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。