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稀勢の里に求められるここ一番の勝負強さ

稀勢の里…13勝4回、12勝関脇時代を含める
と2回。大関在位今度で29場所。
豊山(前名内田)13勝関脇時代を含めると4
回、12勝前頭上位、関脇時代を含めると3回。
大関在位33場所。
好成績だけを比較すると豊山(前名内田)と
稀勢の里は似ている。豊山は学生出身で
初めて大関に昇進した。それも入幕から
7場所というスピード昇進で、横綱を期待
できる逸材だった。
昭和37年九月場所。千秋楽をむかえ、横綱
大鵬、大関佐田の山、前頭2枚目豊山はそろ
って12勝2敗。豊山は本割では佐田の山に
勝ち、大鵬に負けていた。豊山は千秋楽相撲
巧者の栃ノ海に負け、優勝争いから脱落した。
その結果大鵬と佐田の山の優勝決定戦に
なり、大鵬が7回目の優勝を達成した。
豊山
<豊山>

昭和38年一月場所。千秋楽をむかえ、横綱
大鵬、関脇豊山は13勝1敗で並んでいた。
両者の直接対戦は13日目におこなわれ豊山が
勝っていた。豊山はまたしても栃ノ海に敗れ、
2敗に後退。横綱大鵬は2敗で追走する佐田
の山を退け、9回目の優勝で4連覇を成し遂
げた。
昭和38年五月場所。横綱大鵬と大関豊山は
11戦全勝同士で激突。充実した大鵬に歯が
立たず、大鵬は全勝優勝で6連覇を達成した。
同九月場所は10戦全勝同士で再び対戦。
豊山の相撲は大鵬からみればスキだらけで
あった。
こうみてくると豊山は大鵬という壁とここ一
番の勝負弱さでついに優勝できなかった。
ある意味、稀勢の里と共通点がある。
豊山を超えて、学生出身で初の横綱になった
のが輪島である。輪島は豊山ほど期待されて
いなかった。胸が薄く、相撲が小さかった
からだ。ただ、輪島は幼少のころから相撲を
取ってきた。キャリアにすれば大変な年数で
ある。相撲に必要な体、筋肉が幼少のころ
から身についていた。また1回負ければすべ
て終わりというトーナメントのキャリアも他の
学生相撲出身者より積んでいる。それだけに
勝ちにもっていく過程が実にうまかった。ここ
一番に強かった。この勝負強さが輪島を横綱
にした。
輪 島
<輪島>
 
昭和49年七月場所、横綱を目指す北の湖戦で
それはおきた。1差で追う横綱輪島が先行する
北の湖を千秋楽に、本割り・優勝決定戦で
連勝し、逆転優勝した。初代若乃花、大鵬に
続いて3例目であった。相撲アニマル輪島
だからこそなしえた。
稀勢の里にほしいのは優勝をかけた一番での
勝負強さである。しかし、これは一朝一夕に
身につくものではない。そこで考え方を変えて、
一日に4分数秒だけ集中すればいいと考え
てはどうか。集中して自分の相撲を取ることに
専念するのである。落ち着きはどうも攻撃の
鋭さを欠くし、笑顔は勝負師にふさわしくない。
稀勢の里は集中力で自己改革をはかるよう
心がけてはどうだろうか。
130324千秋楽幕内表彰 529
 <稀勢の里の突き押し>

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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