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稀勢の里の変遷 7

平成23年の一月場所後、大相撲の屋台骨をゆ
るがす八百長問題が発覚した。これまで八百
長の疑惑はあったが、証拠がなかった。相撲
協会もあくまでないと言ってきた。しかし、初め
て物的証拠が出てきた。それは携帯メールの
削除した内容を復元することでうかびあがった。
2月2日毎日新聞がスクープした。八百長に関
与したと思われる力士、親方が引退勧告、解雇
などで二十数名が処分された。

八百長A
<八百長問題を報じる東京中日スポーツ>

2月4日、三月場所と巡業の中止が発表された。
5月、いっさいの興行色をなくし、無料で実施し
たのが技量審査場所である。NHK放送なし、
懸賞金なし、番付なし、サービス会社営業せず、
のぼりなし、パンフレットなしという寂しさであっ
た。しかし、優勝は優勝旗のみ、三賞あり、成
績は本場所と同様に扱い記録されることにな
った。
技量審査場所メモから
連続二ケタ勝利をあげてきた稀勢の里が、9
日目まで4勝5敗の成績である。上位に0勝
2敗、下位に4勝3敗である。稀勢の里は限
界なのか。強豪関脇で終わるのか。しかし、
成績が思わしくなくても悲観する必要はない。
禍福はあざなえる縄の如し。悪いことの後に
はよいことがめぐって来る。今場所2ケタは
難しいが、来場所は心機一転好成績をあげて
ほしい。大関失格の大関がいる現状に風穴を
あけるのは稀勢の里である。

きせ対魁皇Aきせ対魁皇B
<平成23年技量審査場所 魁皇を寄り切る稀勢の里>

ここで、関脇を中心とする稀勢の里の第2次
三役定着期の横綱・大関戦の成績をみてみよ
う。
第二次三役A
これをみると、稀勢の里は横綱戦4勝14敗、
大関戦20勝35敗と苦戦している。特に新しい
力日馬富士・把瑠都に勝てなくなっている。
そして琴欧洲にも。平成22年七月場所、横綱・
大関戦は全敗を記録している。
それでも稀勢の里は平成23年七月場所で存在
価値を示した。この場所大関日馬富士は初日
から14連勝で千秋楽を前に優勝を決定してい
た。全勝をかけた千秋楽の対戦相手は稀勢の
里だった。この一番はめまぐるしい展開で大熱
戦となった。日馬富士が一瞬いい形となったが、
体勢がくずれて稀勢の里に全勝をストップされ
た。妥協なき、危険な相手である稀勢の里が、
みせた意地であった。
きせ対はるまA
<平成23年七月場所 稀勢の里、日馬富士の全勝をストップ>
 
(この項目続く)

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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