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土俵の充実の実現性

明けましておめどうございます。今年も土俵の目撃者、
宜しくお願いします。
土俵の充実。故北の湖理事長がスローガンにし、八角
(元横綱北勝海)理事長が引き継いでいくという。それ
では最初に土俵の充実を打ち出したのは誰かご存知だ
ろうか。元栃錦の春日野理事長である。春日野が理事長
になったのは昭和49年の2月である。定年退職した前理
事長の武蔵川(元出羽ノ花)は経営・運営の人であった。
その結果、協会の財政は安定したが、土俵にまでは目が
むかなかった。そこで春日野新理事長は土俵の充実を打
ち出したのである。
150712初日十両 442★
<故北の湖理事長>
 
土俵の充実をスローガンとするのはいいが、具体的に何
をするのかは見えていない。今の相撲は面白いか。吊り
出しもうっちゃりもほとんどない。大鵬時代には起重機
と呼ばれ吊り出しを得意とした明武谷がいた。若浪の豪
快な吊りもあった。玉の海は相手の反撃をくわない横吊
りがうまかった。曲者海乃山がけたぐりで大鵬も柏戸も
北の富士も苦渋をなめている。今ニックネームがつく関
取は少ない。
現代は総大型時代である。関取の重さは150キロ以上が
当たり前である。どうしても大味な相撲が多くなる。それ
ほど昔に遡らなくても、北の富士・玉の海のころは130
キロ台が普通で、150キロ以上は巨漢であった。
土俵の充実の第1歩は稽古時間の確保と稽古に集中で
きる環境である。今の大合併の大人数の巡業では一人
当たりの稽古量はどうしても限られてしまう。巡業地から
次の巡業地への移動も疲労が残る要因となる。場所数が
少なかった時代は一門単位の巡業だったから稽古量は多
かった、というより稽古する以外にお客さんに提供できる
ものがなかった。
150726千秋楽表彰 017■
<八角理事長>
 
もう1つは部屋の力士数が少ない部屋の稽古のあり方で
ある。2人など1ケタの部屋もある。出稽古といっても埼
玉、千葉など遠隔地の部屋もある。部屋関係で出稽古
にいけない場合も出てくる。年末の総見では稽古量が少
ないと報道された。これでは土俵の充実にはほど遠い。
本当に土俵の充実は実現するのだろうか。現時点ではか
なり難しそうだが、具体策を練って実効性を高めていた
だきたい。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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