ファンの期待に応えられるのが英雄の条件であるなら、
近年は英雄が少ない時代といえる。幕下時代これは逸材
だと思った力士に澤井(豪栄道)、景山(栃煌山)、
阿覧、魁聖、碧山、土佐豊、栃乃若、佐久間山(常幸龍)
などかいたが現状は頭打ちである。
学生出身は力士人生を細く長くという生き方を選択して
いるという声を聞いたことがある。これが影響して、いい
逸材が現状を打破できないでいるとは思いたくないが、
期待がもてないのが現状である。
頭打ちのグループにはいっていない明日のホープは誰か。
まず、遠藤。足があがるきれいな四股と勝負をあきらめ
ない執念。ファンの人気はすさまじく、期待は大きい。
大砂嵐は未完の大器である。相撲を少しずつ覚えてきて
いる。理にかなった相撲が取れるとき上位にとって脅威に
なる。次に照ノ富士。格段の進歩で強くなっている。
伊勢ヶ浜部屋に移籍したのがいい方向に働いている。
十両以下はどうか。今度新十両の逸ノ城はスケールが
大きい相撲をとる。ここまでは順調にきたが、目標を
大きく持って現状を突破してほしい。
かつて安念山がなかなか大関になれないことに解説の
玉の海梅吉氏は「これじゃ安念山じゃなく残念山ですな」
と言ったことがあった。明日のホープは残念な結果に
ならないよう精進していただきたい。
<写真は三月場所初日、鶴竜を追い詰めた遠藤>