前日豊ノ島にふところにはいられた日馬富士、この
ピンチを捨て身の首投げで逆転勝ちした。休場明けで
負傷は完治せず、稽古も十分とはいえない。不安
材料が多い中、角界の超新星遠藤との一戦は苦戦を
免れまいと見るのが自然だった。
だが、この日の日馬富士は考えた取り口で遠藤を
封じた。組むとめんどうとばかりに突き放す戦法に
出た。遠藤に何もさせずにころがした。完勝である。
しかし、日馬富士のこれからはけして安泰ではない。
今日は15日間のうちでたまたまうまくいった日に
過ぎない。これからあたる強敵・難敵・実力者は
日馬富士の不安要素をついてこないではおかない。
かつて横綱その栄光と悲劇という読み物があった。
今場所の日馬富士が悲劇とならないよう細心の注意を
はらって相撲を取ることを望む。
<写真は初日の日馬富士対豊ノ島>