混迷の時代の今年の年間最多勝が確定した。それが
以下である。単なる数字の比較ではなく、横綱・大
関との対戦率によってクラス分けした。対象は幕内
在位6場所の力士とした。6場所幕内在位力士は30
名である。幕内の定員は42名だから、71%が幕内を
1年間維持したことになる。
なお、参考として以下の年間勝ち越し力士をあげて
おく。
・幕内5場所
金峰山 39勝36敗 横綱大関との対戦率1%
北青鵬 39勝36敗 横綱大関との対戦率1%
・幕内4場所
朝乃山 33勝17敗10休 横綱大関との対戦率13%
年間最多勝は最終場所の逆転で霧島に輝いた。成績
は62勝26敗2休となった。九月場所までトップの大
栄翔に2差つけた形になった。1場所平均10勝以上
となった。七月場所の途中出場が今思うと大きかっ
た。
次点は大栄翔で、60勝であった。前頭筆頭から関脇
でこの数字はりっぱである。三月場所は優勝同点で
あった。五月場所の照ノ富士戦が幻になったのは惜
しまれる。豊昇龍は2場所大関で優勝もしたが、大
栄翔を下回る59勝で終わっている。
休場が定例化している照ノ富士は1年間で71休と70
の大台となった。今年のフル出場はわずか1場所だ
った。年間6場所幕内在位力士30人のうちのうち8
力士が休場している。重量級大相撲はどうしてもケ
ガにつながりやすい。
今年霧島、豊昇龍と2人の大関が誕生した。この1
年6番以上取って、大関に勝ち越した関脇以下の力
士が3人でた。大関の1ケタ勝利が数字を押しあげ
た面がある。琴ノ若、錦木、翔猿である。琴ノ若は
10連敗していた豊昇龍に3連勝した(大関豊昇龍に
2連勝)。翔猿は貴景勝に強かった。
元大関は高安、正代、御嶽海といるが1年間を通し
て勝てなくなってきている。御嶽海は上位を維持で
きなくなってきている。
2024年はどのような年間最多勝レースになるのか。
混迷の時代は続きそうである。年間最多勝70勝超え
は夢のまた夢かもしれない。