混迷の代はいつ始まったのか。予想外の力士が優勝
戦線に踊り出てくる。優勝のレベルは12勝が多い。
となると2022年三月場所からである。この場所は関
脇若隆景と高安が優勝を争った。
今年(2023年)の五月場所は照ノ富士が14勝1敗の
堂々たる成績で優勝したが、七月場所は早々と休場。
混迷の時代に戻った。その結果幕内優勝経験者は幕
内42人中11人に及んだ。混迷の時代に初優勝した力
士は5人である。引退した逸ノ城は含まれていない。
昭和47年は混乱の年だった。幕内の優勝経験者及び
1位経験者は37人中7人であった。脱却は輪島の強
さにあった。輪島が大関になり、さらに時間の問題
で横綱になり土俵がしまった。
現代の混迷の時代の終焉は新横綱の誕生がカギにな
る。候補は霧島と豊昇龍である。霧島は新大関でさ
んざんなデビュー場所となった。いきなり角番であ
る。小兵力士には食い下がられ、苦戦の連続だった。
若い豊昇龍への期待が大きくなる。おじの朝青龍は
大関3場所で横綱に昇進した。朝青龍の相撲はスピ
ードと集中力であった。朝青龍に対抗できる力士は
いなかった。
豊昇龍は多彩な技で対応する相撲である。若隆景を
一本背負いで、翠富士を河津掛けで倒したことがあ
る。上手投げ、下手投げ、内掛けなどもある。これ
に鋭さや力強さが加わればさらに強くなれる。
ここ3場所33勝12敗だが、錦木に2敗している。苦
手の克服は必然である。それとともに優勝のレベル
をあげることである。12勝3敗の優勝ではスキあり
優勝である。豊昇龍にとって新大関の場所は大事に
なる。