これまで筆者は理事選挙において、自由立候
補、自由投票を提案してきた。しかし、これ
が実現するのはいつの日になるか。まず、
協会が自主的にやるとは考えにくい。おそら
くお上の指導が入らない限り、実現しないと
思われる。自由立候補、自由投票はある意味、
長年相撲界を見続けてきた発想だったかも
しれない。

<北の湖前理事長>
ところがまったく違う発想をする方がいた。
「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテー
ター玉川氏である。玉川氏は親方全員で理事
長を選び、理事長が理事を指名するという
のである。これまで理事長は理事によって
決められていた。前回八角(元北勝海)を
推す理事は6人、貴乃花を推す理事は2人で
あった。しかし、これを全年寄りで選ぶので
ある。
内閣総理大臣が内閣を組閣するように選ばれ
た理事長は、理事を指名するというのである。
これは傾聴に値する案である。協会運営力が
ある者、弟子育成力がある者、相撲哲学・
理念をもつ者、アイデアマンなど有用な人材
で理事を構成すれば、なるほど今まで以上に
仕事ができる理事が誕生するかもしれない。
これなら一門の談合的理事選挙は事実上なく
なる。

<八角(元北勝海)理事長>
一門は本家、分家の系統を中心とした他系統
との連合体で、一門のボス的存在を理事に
するためのシステムである。けして同じ考え
方同士の集合体ではない。そのため、現状は
必ずしも適材適所になるとは限らない。仕事
で実績が残せない場合は、選挙で理事長を
交代することも可能である。だから理事指名
はいい加減にはできない。
現状の理事候補選挙は、延々と続いている
一門のボスを談合的に選ぶシステムである。
これよりは全年寄による理事長選挙のほうが、
はるかに革新的だと思うのだが、いかがだ
ろうか。
やや大きめの絵画を福岡に送りました。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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