去る三月場所、優勝パレードは異例だった。優勝霧島はまわし姿で
オープンカーに乗ったのである。隣の大青山は羽織紋付きであった。
三月はまだ肌寒い。娘さんからも注文がついたようである。

裸の優勝パレードで思いだされるのは初代若乃花である。昭和34年
五月場所千秋楽は東正横綱栃錦が14勝と快進撃。張出横綱の若乃花
は1敗で千秋楽を迎えた。本来なら千秋楽は東正横綱栃錦と西正横
綱朝潮の対戦となるのだがそうはいかなかった。朝潮は11日目で3
敗して優勝争いから脱落していた。
千秋楽は全勝栃錦対1敗若乃花の対戦となった。1敗は朝潮による
ものであった。ここまで栃錦は8回優勝していた。若乃花は5回で
あった。勝負は意外な展開となった。若乃花が本割・優勝決定戦を
制して劇的な逆転優勝を達成した。これが、史上初の本割・優勝決
定戦で連勝しての優勝だった。

次の千秋楽の本割・優勝決定戦での逆転優勝は横綱輪島対大関北の
湖だからまだまだ珍しいことだった。若乃花は自分が優勝するとは
思わなかったのか、羽織紋付きを用意ていなかった。かくして若乃
花の裸の優勝パレードとなった。車に同乗した若秩父も裸だった。
ただ騎手ではなかった。
当時の写真をみると優勝旗はもっていなかった。若乃花が賜杯をも
っての優勝パレードだった。現在賜杯は文化的価値が高く扱いに慎
重である。今ではありえない光景だった。裸の優勝パレード、この
ときは五月場所だったのが救いだった。
今日の運勢が気になったら
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