全勝大の里は先場所負けている御嶽海と対戦した。この日はいつも
の相撲と少し様相が違った。もろ手突き、御嶽海下がらない。御嶽
海左四つに組とめるも、大の里おっつけて一気に出る。赤房下土俵
押し出しで決めた。
大の里の前に出る破壊力は大変なモノがある。相撲内容によっては
無敵にさえ見えてくる。ただ、これから対戦する相手は当然研究し
てくる。9日目は若元春とぶつかる。琴櫻、豊昇龍、阿炎、霧島が
対戦相手として残っている。
1敗霧島は宇良を迎えうった。お互い突き合いで探り合う展開が続
いた。ときに見合う場面があった。霧島はよく見て攻めて最後正面
土俵に押し倒した。
霧島は1敗を守った。だが、大の里のインパクトが強いだけにもう
一つ印象が薄い。ただ、1敗は1敗である。霧島が勝ち続ければ大
の里にプレッシャーを与えることになる。
結びで3勝4敗の大関豊昇龍が5勝2敗の若元春と対戦した。左四
つお互い上手が取れない。若元春おっつけて出る。豊昇龍、小手投
げから首投げに変えて勝負をつけた。豊昇龍の成績が思わしくなけ
れば、千秋楽琴櫻対大の里もありえる状況である。昭和47年五月場
所、一人横綱休場のなか千秋楽結び一番は大関同士の対戦ではなか
った。
成績も相撲内容も大の里が断然トップで後半に入っていく。