大の里は7日目成長著しい平戸海と対戦した。先場所は立ち合いの
突き落しで勝っている。しかし、相撲は大の里のペースだった。立
ち合いから体を生かして一気に出て圧倒してしまった。平戸海はま
ともに行き過ぎた。期待の対戦に名勝負なしになってしまった。
大の里は2日目から7日目まで同じような相撲が続いている。これ
がけっこう驚異になってきている。これを防ぐ方法はあるのか。前
みつを取って距離をあけさせない。押させない。前みつを取る技術、
握力が求められる。現代力士にはそのタイプはいない。
輪島ならできた。手が付けられなかった大受の押し相撲を封じてい
る。昭和48年七月場所大受が史上初の三賞を独占したときである。
柏戸もできた。柏戸は前みつを取って走った。大鵬はこの相撲に最
初何度も苦しめられた。
結びの一番は琴櫻対若元春戦となった。相撲は左四つがっぷりとな
った。若元春のほうがやや体勢が低い。気を見て上手を切って寄り
切った。
琴櫻は2敗となった。苦しい展開である。どうしても横綱・大関陣
が手薄だから1敗琴櫻に期待してしまう。冷静に考えると琴櫻は大
関として優勝争いをしたことがない。大きな期待は禁物であった。
1敗霧島は琴勝峰と対戦した。霧島が攻め込むも琴勝峰のうっちゃ
りにいかんとしてもつれた。行司のうちわは霧島だが、物言いがつ
いた。協議は長びいた。その結果霧島の勝利となった。
7日目を終了して全勝大の里、1敗霧島となった。