豊昇龍が13日目から思いがけなく休場した。前日の
首投げ相撲で右股関節を負傷したという。場所の土
壇場の大関休場で取組が一気に組めなくなった。照
ノ富士対豊昇龍、貴景勝対豊昇龍がなくなった。豊
昇龍に一度も勝てなかった大の里は不戦勝で2ケタ
勝利に望みをつないだ。
13日目で決着がついたことが二つある。一つは霧島
の大関復帰がなくなったことである。隆の勝の馬力
に圧倒され6敗をきっした。場所前は優勝を目指す
つもりで取り組むと語っていたが、ほど遠かった。
これで元大関は5人になった。
もう一つは角番貴景勝が8敗目をきっしたことであ
る。対戦相手は優勝戦線のトップを走る照ノ富士で
ある。貴景勝は全力でぶつかったが、押し切れない
とき勝ち目は薄い。照ノ富士は機を見てはたき込ん
だ。これで元大関は6人になった。
元大関はなぜ増加するのか。2場所連続負け越しで
大関陥落の規定に甘えているからである。これは関
脇以下より甘い。大関は関脇以下に力の差をつけ、
時には横綱以上の存在価値を示すものである。むろ
んケガによる地力の低下もある。
照ノ富士は12勝をあげ、最低でも優勝決定戦に出場
できる成績をあげた。しかし、そんなことは視野に
ないであろう。地力で10回目の優勝を決めにいくだ
ろう。それにしても出場に踏み切ったときは不安だ
ったが、今場所の救いの神になろうとは。
3敗は二人となった。そのうちの一人隆の勝は14日
目照ノ富士と対戦する。優勝争いをする両雄の直接
対決だが、もう一つ盛り上がりにくい。話題は残念
ながらオリンピックに移りつつある。