前日1敗をきっした照ノ富士の12日目の相撲が気に
なった。優勝する力士は連敗してはいけない。名解
説者神風氏はよく口にした。対戦相手は突き押しの
阿炎である。照ノ富士の状態を知る一番である。
相撲は、阿炎が突き起こしていこうとしたが、照ノ
富士が右四つに組とめた。果敢に前に出、まわりこ
む阿炎を寄り切った。強い安定した照ノ富士であっ
た。残りの対戦相手は貴景勝、豊昇龍、琴櫻になる。
本調子でない角番貴景勝、一度も負けていない豊昇
龍・琴櫻。照ノ富士の優勝確率が高まっている。
大関同士の対戦が実現した。3敗同士の琴櫻対豊昇
龍である。二本はいった琴櫻が寄りたて勝負あった
かと思った。だが、豊昇龍は首投げをはなち見事に
決まった。
首投げといえば昭和30年夏場所千秋楽の名勝負は語
り草である。横綱栃錦は優勝を決めて新大関大内山
と対戦した。大内山は立ち上がるやヤツデのような
大きな手で突っ張る。栃錦の顔面に何発も入る。栃
錦の顔がみるみる紅潮していく。栃錦よく耐えて、
一度は組み止めるも再び離れて、大内山の強烈な突
っ張りが炸裂する。大苦戦の栃錦、大内山の首に飛
びつきあざやかな首投げを決め、激闘に終止符をう
った
角番貴景勝は大の里相手に思い切りあたって押し込
んだ。だが土俵際まわしを取った大の里の上手投げ
に敗れた。貴景勝は白星が一度も先行することなく、
5勝7敗に追い込まれた。横綱・2大関戦を残して
いる。一度は大関から陥落して、関脇で12勝優勝同
点によって復帰した。そのときと状況は大きく変わ
っている。
12日目を終え、1敗照ノ富士、3敗3人となった。