大関はときには横綱以上の存在価値を示す、
というのは遠い昔になりつつある。正代は
先場所8勝7敗だった。優勝争いどころか
勝ち越すのがせいぜいであった。それも正代
対貴景勝戦がなくてである。正代はさらに
関脇御嶽海戦もなかった。このあたりは取組
編成のまずさ・へたさが影響している。
1強他弱では1強の照ノ富士に対抗できる
強豪がどうしても求めたくなる。それは横綱・
大関の対戦圏外で勝ちあがった力士ではなく、
実力者をである。
正代が初めて優勝争いに浮上したのは2020
年一月場所である。幕尻の徳勝龍と優勝を
争った。14日目、直接対決で敗れ、13勝2敗
の次点に終わった。
次に正代が優勝争いをした場所は七月場所で
ある。千秋楽を迎え2敗照ノ富士、3敗朝乃
山・正代・御嶽海であった。照ノ富士が御嶽
海に勝って優勝を決めた。翌九月場所、正代
がついに優勝して場所後大関に昇進した。
また2021年一月場所は平幕上位の大栄翔と
並走し、最後追走した。
正代は初優勝争いから先場所まで10場所経過
した。その間優勝及び優勝争いは4度である。
優勝争い率は40%である。ただし、千秋楽
優勝が決まった後の取組では2度負けている。
初優勝争い後12勝以上は2度、また2度負け
越している。現在4場所連続優勝争いなし
である。
地力はあるが、力が発揮されるとは限らない
正代。追走の優勝争いでは優勝が決まった
あとがしまらないのが、これまでの傾向で
ある。正代の優勝争いが十一月場所にある
のか、確率はけして高くない。
借金大国の行く末に不安。
興味深いテーマをこれからもお届けします。