大の里の破壊力の源に体の大きさがある。力士の中でもひときわ大
きい存在である。この体が鍛えられ圧力とパワーを生んでいる。12
日目の対戦相手は対戦圏外の若隆景である。
相撲は意外な展開をみせた。大の里はもろ手突き、出足で圧倒する
も、若隆景は土俵際もろ差しでこらえた。大の里は振りほどくよう
に右で頭をおさえつけ、左で突き落としにいった。若隆景ここもこ
らえて体を入れかえ、寄り切った。
時間が短いなかに様々な攻防が折り込まれた一番だった。お客さん
にとって興奮し、満足いく戦いだった。予想をこえる熱戦となった。
若隆景の勝因は大の里の攻めを2度しのいだ点にある。
2敗霧島は大関琴櫻と対戦した。この相撲、気力の差が出た。立ち
合い探り合いから左四つ。霧島が左上手浅く四つ身の形はいい。琴
櫻の下手投げを霧島上手投げで打ち返して勝負をつけた。琴櫻のも
ろさが何とも気になった。
2敗の中から高安が浮上した。序盤2敗し、優勝争いに浮上すると
は思わなかった。こつこつと白星を重ねてきた。12日目は小結平戸
海戦が組まれた。立ち合い高安がかちあげ。その後激しい突き合い
となった。平戸海の引きにつけいって高安が突き出した。高安気迫
の突きだった。
12日目を終え、1敗大の里、⒉敗霧島・高安となった。