4日目同席した相撲仲間と話題になったことがある。それは3日目
の琴櫻対翔猿戦である。物言いもつかなかったので、翔猿の体が土
俵外に飛んだのかと思った。だが実際はそうでなかった。その前に
琴櫻の手がついていた。翔猿は白星と懸賞金の大金を逃して気の毒
だった、という話になった。
10勝をあげながら関脇にも東小結にもなれなかった平戸海は不遇で
あった。世の中には慰めようのない悲劇がある。それが今の平戸海
である。4日目平戸海は王鵬相手に目が覚める速攻で快勝した。
平戸海の急速な進歩は五月場所から始まっていた。五月場所は技能
賞受賞でもおかしくなかった。相撲はますます磨きがかかってきた。
どこまで成長するか。実に楽しみな力士である。
大の里は大栄翔と対戦した。大の里は大栄翔の突き押しものともせ
ずに前に出て圧倒した。決まり手は押し出しである。大の里は4連
勝と調子を上げてきた。
大の里の大関昇進はあるのか。引っかかるのは先場所の9勝である。
だが12勝-9勝-12勝となると考えられなくもない。もちろん問わ
れるのは数字以上に相撲内容である。また、現在大関は2人しかい
ないことが有利に働くのは間違いない。
豊昇龍の迷走が止まらない。立ち合いは両者ふわっと立った。翔猿
の押し込みからの引き落としに豊昇龍は大きく泳いで手をついた。
あっけないと言えばあっけない。大関らしからぬと言えばそういえ
る。果たして1勝3敗から立ち直れるのか。迷走が続くようだと危
ない。