大相撲

2019年一月場所総評

2019年1月28日

★壊滅的休場者数
休場者数は再出場した御嶽海を含め9人に
まで及んだ。これに場所中に引退した稀勢の
里、豪風を加えると11人が不在となったこと
になる。クイズにできるほどの人数である。
このなかに場所前引退した貴ノ岩ははいって
いない。
190127千秋楽十両幕下以下 001
<電光掲示板の休場力士>

これだけ不在になると取組が減少する。横綱
が不在だと看板に偽りありになってしまう。
協会や師匠は大量の休場者を出さない対策を
本気で立てないと、お客さんが引いてしまう。
白鵬が休場した14日目は館内のあちこちで
なげき節が聞かれた

★稀勢の里の引退について
3連敗して、もはや誰とやっても五分以下
では引退もやむを得なかった。新横綱の場所
で土俵下に転落したときのケガが致命傷に
なってしまった。ケガが治るまで中途半端に
出場しないほうがよかった、とは誰しも思っ
てしまう。また、土俵下に畳を敷けばという
意見があった。力道山時代のプロレスでリン
グ下に敷かれた時代もあった。
190115三日目幕内 2994a
<3日目 稀勢の里最後の一番>

ただ、これほど横綱として不成績が続きなが
ら、ファンに愛された横綱は珍しい。第2の
相撲人生では成功を願わずにはいられない。

★玉鷲が予想外の健闘で初優勝を達成
玉鷲はベテランの域だが、相撲は若々しく、
年齢を感じさせなかった。序盤戦3勝2敗の
ため、優勝を予感させるモノはなかった。
ところがそこから快進撃でトップに立つと
そのまま逃げ切って初優勝を達成した。

苦節15年、見事な優勝だった。「1度は優勝
してみたい」と語っていた玉鷲が悲願の優勝、
夢の優勝が現実となった。去年は初優勝が
3回あった。傾向は続いているだけに誰に
でもチャンスがある時期といえる。
190127千秋楽表彰 1513
<玉鷲の優勝パレード>

★横綱・大関の不成績に関して
横綱・大関6人で30勝29敗20休と惨憺たる
成績となった。これでは面目丸つぶれである。
年齢的にきつい面がでてきているのは確か
である。高安以外は30歳を超えている。大き
な期待はできないが、こうした状態が続く
なら限界が近いことを示唆していることに
なる。

★次点の貴景勝について
貴景勝は最後まで優勝玉鷲についていき、
場所を盛り上げた。優勝の翌場所の11勝は
りっぱである。大関昇進見送りについては
別にテーマを設けて検証することにしたい。
190127千秋楽幕内 841
<11勝をあげた貴景勝>

★三賞について
途中再出場の御嶽海が殊勲賞というのは、
三賞史上初の珍記録である。ほかは玉鷲が
殊勲賞と敢闘賞、貴景勝が技能賞というのは
妥当だった。玉鷲の殊勲賞は場所を盛り上げ
た功労者で、高見山優勝以来の新基準である。
190127千秋楽表彰 1304
<三賞表彰  新聞社はトロフィーを渡すが協会表彰はない>

協会の三賞表彰でトロフィーを土俵で渡さ
ないのを「やぼったい」とヤジが飛んでいた。
表彰に手を抜くのは確かにいただけない。
東京新聞・東京中日スポーツの三賞表彰では
きちんとトロフィーを渡している。

★ほかに気がついた点
立ち合いの手つき不十分は、相撲を取り終え
た後にやり直させるのはいただけない。審判
長は手を上げるだけでなく、聞こえるように
きちんと早急に止めるべきである。

また作戦的に手をつかないで相手の戦法を
見抜く、かけ引きに出ても不思議ではない。
手つき不十分の力士は番付の昇降で考慮する
くらいのことをしたほうがいい。

★最後に場所の採点を
50点

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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