一月場所新入幕を果たした力士に佐藤改め
貴景勝がいる。本名佐藤貴信、兵庫県芦屋市
出身、貴乃花部屋、173センチ、160キロ。
突き押しのパワー相撲である。両親が貴信と
名づけたことからもわかる通り貴乃花ファン。
佐藤少年が貴乃花部屋に入門するのは運命で
あった。貴景勝の十両入りするまでの出世
街道をみていこう。
十両まではわずか9場所、1年半で上がって
いる。これはかなりのスピード出世といって
いい。5年から6年かかるのが普通である。
貴景勝に相撲あるいは格闘技の下地があった
のか。答はイエスである。小学校3年のとき
地元の相撲道場に入門している。中学時代は
報徳学園中学の相撲部に在籍した。3年の
とき優勝している。いわゆる相撲少年であっ
た。
<佐藤(左)序ノ口時代 相手は神山>
高校では、名門の埼玉栄高校に特別留学し、
相撲部で活躍した。高校の相撲大会で数多く
の優勝を飾っている。貴乃花部屋への入門は
3年の在学中である。この辺が異色である。
卒業時は三段目であった。幕下以下9場所で
負け越しは1度だけである。優勝は序ノ口、
序二段、幕下と3回ある。
<佐藤(左)序二段時代 相手は琴誠剛>
新十両は今年の五月場所である。十両は4場
所で突破した。力士によっては万年十両に陥り
がちになるが、佐藤はそうならなかった。負け
越しは1度ある。先場所、12勝3敗で優勝して
入幕を決めた。一月場所入幕を果たした千代
皇には意外なことに(?)十両時代0勝3敗の
成績である。その反面話題の宇良には3勝と
相性がいい。
貴景勝は現在20歳である。大学に進学し、
相撲部に入っていたら、まだ学生である。
プロに入りプロの稽古をしたから現在の貴景
勝がある。学生相撲は学業の合間の稽古で
ある。輪島が横綱になれたのは学生相撲の
延長ではない。プロに入りプロの稽古をした
からである。
<大岩戸を倒して幕下優勝を決めた佐藤(左)>
こうしてみると貴景勝はまれに見る逸材で
ある。スピード出世は将来性をみる好材料で
ある。大学出でないだけにある程度できあが
っているということもない。今大相撲は将来
をになう人材に不足している。貴景勝はどこ
までやるか。一月場所の注目点の一つである。
今年も残すところあとわずか。土俵の目撃者
は最後まで書き続けます。
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