10日目は取組が押していた。十両土俵入りは14時15分からだが、30
分を過ぎていた。通常幕内の審判入場は16時5分だが、横綱の土俵
入りにかかっていた。そのため事実上休憩時間はなく、トイレに行
く暇もなかった。3階(イス席)にトイレはなく、2階まで降りて
いかなければならない。遠距離トイレになっている。
幕内前半で物言い取り直しや物言いがついて終了は17時をはるかに
過ぎていた。通常は前半終了から17時までが休憩になる。最後はな
んとか18時までに終了したが、休憩なしの展開は本当に御免蒙る。

土俵に波乱があった。新鋭義ノ富士が一気に大の里を押し出してし
まった。あまりのあっけなさに館内に驚きが走った。「立ち合いは
同時に立って早く攻めろ」は横綱栃木山の教えである。義ノ富士は
まさにそれをやってのけた。大の里に攻め入る間はなかった。
驚異の関脇安青錦の人気は急上昇である。ここまで1敗で優勝争い
に食いついてきた。10日目は玉鷲と組まれた。41歳にして衰え知ら
ずのパワーはまだ健在である。しかし、相撲は安青錦のペースで進
み、最後寄り切った。大の里が敗れたためついに並んだ。

結びで登場した豊昇龍は欧勝馬と対戦した。しかし、今の欧勝馬に
豊昇龍を脅かす要素はない。相撲は下手投げで豊昇龍が勝った。豊
昇龍ははつらつさ、鋭さを感じさせる相撲が目立ってきた。トップ
と1差になった。地力で並ぶことが可能になってきた。

10日目中盤を終え、1敗大の里、安青錦。2敗豊昇龍となった。11
日目は以下の取組である。
大の里対隆の勝
豊昇龍対王鵬
安青錦対義ノ富士
新3強同士はまだ対戦していない。今場所のクライマックスの一番
になりそうである。