幕下では福崎と大辻が勝ち上がって6勝とした。13日目は両力士の
対戦が組まれることが予想される。かつては6勝で勝ち上がった力
士が同部屋でそれぞれ1敗力士と組まされたことがあった。6勝力
士がともに敗れ、6勝1敗力士による優勝決定戦となった。ただ、
筆者は番数が多い優勝決定戦は好きではなかった。
幕内のメインエベントは全勝大の里対2敗若隆景戦である。ここま
で立ち合いからの破壊力で圧倒してきた大の里。はたきはあったが
スピードがあって危なげない相撲だった。若隆景は大の里にどう挑
むのか。焦点はそこにある。

相撲は、若隆景が鋭く踏み込んで大の里のふところに入った。若隆
景はうまくとった。だが、大の里は右上手を取って体を寄せて寄り
倒した。若隆景はいい相撲を取ったが、大の里の勢いが上回った。
大の里は盤石である。スキがない。
ホープ安青錦が初の大関戦になった。相手は琴櫻である。琴櫻は好
調といえないだけに波乱の要素はあった。勝負は、安青錦が再三琴
櫻を追いつめた。安青錦大関に勝利か。だが、琴櫻がはなった小手
投げが決まって安青錦は惜敗した。

結びは通常なら豊昇龍対高安戦になるはずだった。だが、実際は豊
昇龍対伯桜鵬戦になった。伯桜鵬は果敢に攻め込んだ。豊昇龍は危
うい体勢であった。白櫻鵬勝ったか、と思った瞬間腰砕けで惜敗し
た。もう一歩であった。

優勝は全勝大の里、2敗豊昇龍の争いとなった。2差はいつまでも
縮まらない。大の里有利の中で場所は12日目を迎える。