七月場所は、稀勢の里の横綱昇進に話題が集
まっている。若乃花以来の日本人という意味も
大きい。七日目まで6勝1敗で後半勝負をかけ
ることになる。
昭和以降、玉錦から鶴竜まで82年半で40人の
横綱が誕生している。約2年に1人の割合で
ある。現在横綱の最大の問題点は、同じ横綱
でありながら、ピンからキリまで差がありすぎ
ることである。これが同じ横綱かというくらい
天と地ほどの開きがある。現状の横綱昇進
基準、昇進後の対応のままではこれを繰り
返す。
<双葉山のブロマイド>
この問題を解決するためには、2つの方法論
が考えられる。一つは横綱が引退したとき、
立派に横綱を務め上げた横綱に新たな称号を
贈る方法である。将棋の名人は5期務めると、
永世名人を名のれる資格が得られる。1935年
実力制名人が制定されてから13人の名人が誕
生した。そのうち6人が永世名人である。この
制度を横綱にあてはめるのである。例えば
「大横綱」、「強豪横綱」などをりっぱな横綱に
与えるのである。贈られなかった横綱は並み
以下横綱になる。
<武蔵山のブロマイド>
もう一つは横綱の昇進基準を厳格にすること
である。横綱は適格者がいなければ欠いても
いい。また、けして下がることがない地位で
ある。あきらかにチャンピオンとは異なる概
念である。5場所間に3度優勝及びすべて12
勝以上の成績をおさめた者が初めてなれる新
基準を設定することである。
<前田山のブロマイド>
これだとワンチャンスで横綱が誕生すること
はない。まして4横綱などありえようがない。
それどころか、一人横綱の時代が増える可能
性がある。しかし、弱い横綱、物足りない横綱
はなくなる。横綱は時代を築くほどの力量が
求められる。あるいは2つの方法論を併用
してもいい。
<白鵬>
これまで興行上、横綱を誕生させすぎた。そ
れならせめて、横綱として適格か否か、一人
ひとり検証していくほかない。
地方場所のときは準備に手間がかかる。
最大のものは留守録である。臨時ニュースが
あっても対応可能に設置しなければならない。
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